高炉スラグの特性から化学抵抗性、水密性や長期強度の向上によって、耐久性に優れた長寿命コンクリートとなります。
また、高炉スラグは、溶鉱炉で銑鉄を生産する際に生成される副産物なので、その利用により、環境負荷の低減に寄与するエコなコンクリートです。普通コンクリートと同コストで劣化を抑制します。
1低コスト[type-S]
LLクリート type-Sは普通コンクリートと同じコストで長寿命、低炭素や耐塩害性能を実現します。 ※一部の地区を除く
2耐塩害性[type-S][type-A]
化学抵抗性や水密性に優れた高炉スラグを主材料に配合したLLクリートは、塩分の浸入に抵抗して配筋の腐食を著しく抑制します。
3耐硫酸性[type-A]
硫酸イオンと水酸化カルシウムの反応により二水石膏が生成される過程を、より緻密な結晶構造とすることで、硫酸の浸透を抑制します。
4長寿命[type-S][type-A]
高炉スラグ微粉末を配合したコンクリートは、初期強度の発現が遅く二次製品の製造工程に用いることは難しいとされてきました。しかしLLクリートは、混和材と養生の工夫から脱型強度を確保するとともに、材齢14日において設計基準強度を十分に確保し、強度設計を可能としました。
5低炭素[type-S][type-A]
セメントの配合量を減らし、高炉スラグ微粉末と高炉スラグ細骨材を配合することにより、普通コンクリート比でCO2の60%以上削減を実現しました。
LLクリートは用途別にtype-Sと type-Aがの2種類があります。
LLクリート type-S 耐塩害性コンクリート
● 塩害対策に有効
一般に塩害対策として、鉄筋のかぶりを増やす、エポキシ樹脂塗装鉄筋を使用する等の対策をしますが、すべて工事費用の増加になります。
LLクリートは、コンクリートそのもので十分な塩害対策を可能にしたものであり、特別な対策費用を必要としません。コンクリート素材なので海洋構造物はもとより、ボックスカルバート、擁壁、道路製品等のあらゆるコンクリート製品を耐塩害コンクリート製品にすることができます。
● 普通コンクリートと同コストです。
LLクリート[type-S] は、普通コンクリートと同じコストで長寿命、低炭素や耐塩害性能を実現します。
コンクリート中の塩化物イオンの見掛けの拡散係数の実験結果を以下に示します。
● コンクリートの長寿命化
LLクリート使用により、普通コンクリートの2倍以上の耐用年数が得られます。
塩化物イオンの浸入に伴う鋼材腐食に対し、その鋼材位置における塩化物イオン濃度の設計値Cdの鋼材腐食発生限界濃度Climに対する比に構造物係数γiを乗じた値が、1.0以下であることによる。
● CO2排出量は普通コンクリートと比較し60%以上低減(低酸素)
LLクリートはセメントの代わりに高炉スラグ微粉末を多量に用いて、さらに細骨材および膨張剤を混合。これをプレキャスト製品に採用することに成功。耐塩害性耐硫酸性に優れたプレキャスト製品を提供します。
LLクリートに使用される材料のCO2排出量は普通コンクリートと比較し60%以上低減
LLクリート type-A 十分な耐硫酸性
● 耐硫酸
コンクリートの硫酸による劣化現象は、硫酸の浸入によりコンクリート中のカルシウム(水酸化カルシウム)が硫酸と反応して、二水石膏を生成、その後、エトリンガイトが生成され、膨潤粉化します。この反応と生成の繰り返しによって、コンクリートは次第にやせ細っていきます。
H2SO4+Ca(OH)2 → CaSO4・2H2O
LLクリート[type-A] は、高炉スラグ微粉末を多量に配合したコンクリートのため、生成される二水石膏の膨潤粉化を抑制し、緻密な結晶構造となり、硫酸のコンクリートへの浸入を抑えるので、硫酸劣化に強く抵抗する長寿命コンクリートができます。
● 重量変化率
LLクリート[type-A] の性能は、硫酸水溶液浸せき試験の判定基準である、日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(供試体を5%の硫酸水溶液に28日間浸せきした時の重量変化率が±10%以内であること)を充たしています。
LLクリートtype-Aと普通コンクリートの実験供試体を5%の硫酸水溶液に56日間浸漬させた実験結果の写真 です。
LLクリートtype-Aはセメントを高炉スラグ微粉末に高置換しているため
硫酸劣化の進行を遅延させることが可能